「よう、嬢ちゃん」


あの時の警備員さんが、研究所に入ろうとする珍しく私に声をかけてきました。

すると白い封筒を渡して下さいました。一体どなたからなのでしょう?聞いてみれば、


「あの時のガキだよ」


朔斗さんからだそうでした。南雲さんの部屋に早速行き、封を開けました。

中からは1通の手紙とCD。手紙には数行こう書かれていました。


『気のせいかもしれないが、姉さんが何時もより多く笑うようになった。感謝する。

お礼の気持ちと言ったら可笑しいかもしれないけれど、

姉さんがピアノで俺が歌……地声は恥ずかしいからまだ変声機だけどな……

歌を作ったからお前にあげる。最初で最後かもな、曲を人に贈るのは。

公には公開しないから、世界で1枚だけのCDだ。

じゃあ、あるかは分からないけどまた会う時まで…… 鈴谷 朔斗』


CDプレーヤーらしき物が見付からなかったので、

勝手ながら南雲さんのパソコンを立ち上げて、それで音楽を聞く事にしました。