「朔斗さん?」

「え?どうしてあんたが此処に来たんだ?」

「呼ばれたから来ただけです……用件は何でしょう?」


私も彼もどうやらまだこの事態に飲みこめていない様子でした。


「知り合いだったのかい? 驚いたよ」

「いえ、驚いたのは僕の方ですが……どうして宮園さんが此処に?」

「言った通りだよ。彼女が救世の……」


もしかして、朔斗さんに会わせる為に呼ばれたのでしょうか……?

相変わらず彼も私も驚いたままでした。私はその場を去ろうとしました。

しかし上部の人に止められてしまいました。


「えっと、それだけなら失礼しますが……」

「まだ用はあるよ。それは彼から聞いてくれないか?」

「いえそれより、私の正体が知られては不都合じゃ……」


毎回力を使う時に思うのです。

患者さんは私の顔を見ている……つまり、救世が私だと言う事を知っています。

救世や破滅の方が、誰なのかを知られるのを色々な手を使って防いでいる筈なのに、

こんな所で正体を晒しても大丈夫なのか、と。