「さっきから聞いているけど、用件は?」

「それで、朔斗さん。救世の方に何か用なのでしょうか?」

「……どうしてそれを!」

「警備員の方が言っていました。救世の人間に会わせろとしつこかった、と」


するとそんな事を知る必要はない、とその場を去ってしまいました。

ただ私が向かう方向と同じだったので、自然に私が彼の後をついて行くような形となりました。


「ついて来るな!気味が悪い」

「ごめんなさい。でも、私の向かう先もこちらの方向なので……」


結局最後までついて行ってしまいました。驚いた事に朔斗さんと同じ行き先、つまり研究所でした。

朔斗さんはバツが悪そうな表情をされていました。何か困る事でも起こるのでしょうか?

……あ、そういえば朔斗さんのイニシャルはS.S。あの手紙の差出人もS.Sさん。


「駄目です、朔斗さん!早まってはいけません!」

「は?何の事?俺はただ此処の奴と会う約束をしている人間が……」

「そんな嘘を吐いても無駄です。どうか捕まるような事……だけ…………は……?」

「鈴谷さんですね?」