「自分勝手な思いだけでそんな事をするだなんて・・・」

「これがきっと最初で最後の、私の意志で行う蘇生でしょう。この方にはまだ生きてもらわないと。

誰か呼んで来て下さいませんか?蒼一さんが息を吹き返した事を伝えて下さい。

あ、そうでした。何があっても、もう1度安楽死の処置をしないで欲しいと言う事も一緒に。」


南雲さんは少々戸惑っていらっしゃいました。なので私は笑顔でこう言いました。


「これは神様の命令ですよ。南雲さん?」

「りょ……了解」





「退院おめでとうございます。蒼一さん」

「志那……」

あの出来事からどれくらいが経過したのでしょう。蒼一さんが退院する日がやってきました。

生きている事に驚いていたのはやはり蒼一さんご本人でした。

何故自分が生きているのかと何度も何度も問われていました。だから私は答えました。