トシ子は「私、気が動転してしまって。すいません、ちょっと気付け薬を」と、ハンドバッグから注射器を取り出し、自分の腕にシャブを打った。

「しっかりしてください、こんな時こそ親がしっかりしないと」佐々木が励ます。

「せんせぇ、わらひぃ、どうしたらいひのか、わかりまへぇん」ろれつが回らなくなったトシ子に、校長は困った顔をした。