一番後ろの席に座ったタカシが、教師の目を盗んで、筆箱から取り出した注射器を自らの腕に刺すのを、トシ子は見た。

タカシの顔から表情が消え、目は焦点が定まらなくなり、口角からはよだれが滴り落ちる。

驚きのあまりその場に倒れこんだトシ子を、佐々木と校長が支えて校長室まで運んだ。