「一輝くん」





 一輝くんの声と顔が
 頭から 離れない。






 「一輝くん…」





 何回 名前を呼んだのかな?




 頭の中は一輝くんで
 いっぱいになってる。






 「…奈美ぃ〜」




 「どしたぁ?」




 「あたし、恋しちゃった」




 「…っはぁ?」




 「うふふ〜」





 そう きっと
 恋しちゃったんだ。
 
 一輝くんに、





 「あんた、まじだったの?」




 「王子様だよ?」





 それに 優しいし





 「…王子様って、
  見た目だけでしょ?」




 「違うもん」





 一輝くんはほんとに
 何から何まで
 あたしの理想の王子様だ。





 「美憂、あたし別に
  あんたが誰を好きでも
  構わない。

  ただ…よく考えなよ」