「じゃぁ,ぃってきま−す。」


靴の先をトントンと床に打ち付けながら舞は言った。

「気をつけて行くんだょ−。」


「はぁぃ。‥ぁっ,後ぉ父さんに寝過ぎだょって言っとぃて。」



「はぃはぃ。」


「じゃぁね−。」


玄関を出た舞は,自転車に乗り駿の元へと向かった。両脇に並ぶ木々が黄金の輝きと共に照り映ぇてぃる。自転車に乗り,風をきって走る舞は少しこぐスピードをゅっくりにし,ジャケットを胸に寄せた。

“もぅ冬の準備が始まってる―”

比較的ゅっくりと来たっもりだったが,公園に着き,時計を見た時はまだ8時40分を少し過ぎたくらぃだった。

“‥まだ駿は来てなぃだろぅな―”

舞はそぅ思ぃ,自転車を脇の方に停めょぅとした時,ブランコを少し軋ませながら座っている駿に気が付ぃた。急ぃで自転車を停め,駿の所に向かぅ舞。



「早ぃじゃんっ!!まだ20分前だょ。」


「‥ぁっ,あぁ。昨日全然寝られなくってさ。」


「遠足前の小学生みたぃ。」


「ぅっせ−。」


駿は少しムッとしながら舞の手を握った。


「行くぞっ!!」


「‥ぇっ!?自転車は?」


「放置。映画みに行こーぜっ。‥ぉ前が前,今村と話してただろ!?…んっと‥何だったっけ…ぁれ。」


「The cords of love…!?」


「そぅ,それっ!!!」


「本当!?ゃったぁ。ぁりがとね駿。」




「…だったら,ゃっぱぉ前ん家に来れば良かったな。こっからじゃ逆方向だょ。」


「ぃーょぉ。ゅっくりで。‥ぁっ,じゃぁバスで行こっか!?」


「だなっ。」