それから、どの位かして 「川崎さん?」 聞き覚えのある声。 ガバッと顔をあげると 山下君が廊下から顔を出していた。 「どうしたの?」 山下君が一歩一歩近づいてくる。 「何でもないよ」 「本当に?」 心配そうに顔を覗き混んでくる。 「うん」 あたしは、カバンにいれてあったチョコを取り出した。