「朔夜・・・。久しぶりだな。」


いつもの口調で話す孝幸だけど、目が笑ってない・・・。


まさかの予想外の展開に、焦りが見えている朔夜。


「どうしてわかった!?瞳がここにいるって!」


確かに、こんな組の事務所みたいな所に連れてこられて、なのに孝幸は来てくれた・・・。


すると孝幸は、フッと笑うと、


「……愛の力か?」


「ふざけるなっ!あんたのその余裕そうな顔がムカつくんだよ!」


キレた朔夜くんは孝幸の胸ぐらをつかんだ。


それでも、全く動じない孝幸・・・。


「強いて言えば…、お前より顔が知れてるからだ…、権力と金だけのガキが。」


「なっ・・・・!?」


その時、


「その通りだ。朔夜…。所詮お前は、ただのガキだ。」


「く、組長ッ……」


ひときわ貫禄のある男の人が部屋に入ってきた…。朔夜くんが組長と言った…


「中さん、困りますよ…。ちゃんと、若い輩のしつけくらいしといてもらわないと。」


その組長に対して、親しげに話しかける孝幸・・・。

え?………もしかして、


「どういう事っすか?組長!何でこんな男の味方するんすか!?」


「それは、こっちの言い分だ、朔夜。
うちの若いもんを、買収してこんな外道な真似をさせやがって…。」


「!?」