「私ね、今のカフェに来るまではただのOLだったの。」


「え、そうなんですか?」


「うん。短大をでて、普通に会社に入って、毎日パソコン相手に格闘して…、上司に怒鳴られて。」



信じらんない。いつも笑顔でいきいきしてる瑠美さんが地味にOLさんをしてたなんて。



「もう疲れきっててね、仕事が嫌になってたの。そんな時に、お昼休みにふと立ち寄ったカフェでね、すごく美味しいコーナーを飲んだの。それにカウンター越しに店員さんが笑顔でいろいろ話を聞いてくれて、すごくホッとして穏やかな気持ちになったの。」


「もしかしてそのカフェって…」


「そう、今のカフェ。それで、私もこうゆうお昼休みとかのちょっとした時間でもひと息つける場所で働いてみたいって思ってね。それで、働いてた会社をその日に止めて、今のカフェに働きたいってお願いしたの。」


「そうだったんですか。。」



瑠美さんは空になったカップを静かに置くと、綺麗な長い指を絡めて、優しい目で私をみた。



「たったそれだけのきっかけで、私は今楽しんで仕事を続けてる。…だから、瞳チャンも焦らなくていいの。何かひょんな事でやりたい事が見つかるかもしれないから。」


「瑠美さん…。」


「ねっ?だから、今は存分にキャンパスライフを楽しみなさい?」



そういって、天使のように微笑む瑠美さんに私はすごく楽になった。



「瑠美さん…っっ。。ありがとぉ~☆」


「ほら~、泣かないの。クリームついてるし~。」


「もう一個食べますぅ~~~(泣)」


「何個でも奢ってあげるから、泣きながら食べないの~。」



焦らなくてもいいんだ。

ゆっくり見つければいいんだね。