「ところで、この子の母親見つかったの?」
幸せそうにお子さまランチを食べてる梓チャンを見つめながら、タロウさんが言う。
そう元旦の、梓チャンが現れてからもう2週間がくる。
一向に母親である、あさみさんは梓チャンを迎えにこない。
こんなにいい子の梓チャンを、どうして手離していられるんだろ…。
「ああ、今タケが色々探してる。」
「そうなのぉ…。ちなちゃんも今からって時なのにねぇ…、大丈夫かしら~?」
「ちなも、ホントは複雑なんだろうけど…梓チャンの事、すごく可愛がってる。」
すると孝幸が、
「梓チャン、ちなちゃんの事好き?」
「うん♪だいすき♪」
「そっか。」
お腹の赤ちゃんとちなと梓チャンでお話しするんだ♪って梓チャンが嬉しそうに笑う。
だけど、
「でも、あずしゃ…ママがいちばんすき…だいすき。。」
今にもこぼれそうなくらいに涙を浮かべる梓チャンは、寂しそうに言った。