「ほっとけないよ。」
「え・・・」
そう言った店長の声が、あまりにも力強くて瑠美さんも驚いた顔をして、店長をみた。
「瑠美ちゃんの幸せを他の男に任せるなんてできない。
・・・・俺が幸せにする。」
いつも優しくて、面白くて、でもちょっと頼りない感じの店長が・・・・
今はすごく、頼もしく見える。
「瑠美ちゃん・・・ちゃんと俺をみて?瑠美ちゃんを俺が幸せにするから。」
店長の精一杯の愛の告白。
私が知っているのは、ここまで。
見つめ合った2人を残して、私と孝幸は部屋をでた。
私は、もう大丈夫だって、分かったんだ。だって、店長のおっきな愛を知った瑠美さんの表情は、すごく嬉しそうだったから。
瑠美さんもやっと、見えてるようで見えてなかった本当の幸せ・・・気持ちに気づいたんだ。
悪魔のような瑠美さんは、やっぱり偽物だったんですよね?
私は、孝幸の手をぎゅっと握りながらそう思った。