「梨花ちゃん、もう諦めて。良いの……こんな日がいつかくると思ってたの。」







ここは日本



結衣がこの世界から姿を消して、もう半年になる。


今は5月





雨がよく降る…







「おばさん、どうしても結衣を連れ戻すことはできないんですか?」






梨花は結衣の生い立ちを全てこの目の前にいる女性、結衣の母の桜井美須途(ミスズ)から聞いていた。





結衣がいなくなったと聞いたあの瞬間、あなたは結衣の親友だからと、美須途は梨花に全てを話して、あまり結衣を気にしないように言った。






梨花は最初、美須途が結衣のいなくなったショックから、ありもしない妄想をしたのだと思うほどに驚き、信じられなかった。



いや、信じられないことは正常な人の反応だろう。






「結衣は結衣で幸せな道を歩いていることを願うしかないわ」