窓に両手をつける


悠生もその手を重ねる


手の間のガラスは数センチ
だけど今は大きな壁となっている


‘みな…’


悠生は口を開いて伝える


‘だいじょうぶか’

美菜は涙をポロポロと落としながらガラスの向こうの悠生に話す


「助けて…悠生」


‘…いま、たつやのところにいる’
‘だから、ちかくでみているよ’


「私のそばにいて」


‘みまもっている’

「悠生…」


ガラス越しに手を合わせながら


キスをした


‘みな…’


そして悠生は闇の中に歩いて行った


「悠生ー…」



美菜はそのまま窓の外を見つめたまま


朝が訪れた