4月10日 入学式。

クラスのほとんどの人が
揃っていた。

「もりやま…もりやま…」
机の上においてある名札で自分の席を探す。

「守山 紗英 ここか。」
静かに席につく。

今思えば、シュウとの出会いはこの時だったね。

「まもりやま…?」

ふと顔を上げると、いかにも爽やかオーラを出した男子が立っていた。

「お前、まもりやま?」

初対面なのにお前?
いらっとしながらも、

「もりやまだけど。」

ぼそっと答えた。
「俺、矢沢 周!よろしくなっ!席後ろだから。」

五十音順の席だから、あたしの後ろがシュウだった。
「あっ。よろしく」

別に目立つ女子じゃないあたしは、シュウに声かけられて少しだけ嬉しかったりした。