情けない悲鳴を上げながら、騒々しく動き回る海賊たち。
そっと、私の肩に手が添えられた。
「…大丈夫かい?」
その優しい声音に、私は顔を上げた。
心配そうに私を見つめていたのは、マスター。
「…はい」
私は、自分でもわかるほど、弱々しく微笑んだ。
すると、ふたつの足音が近づいて来る。
「ララちゃーん♪見てくれた?俺の勇姿っ」
「レキ、うるさい。…何、どうしたの」
笑顔のレキと、しかめっ面のゼン。
私の異変に気づいたのか、ゼンがその瞳を向けた。
「あ…ううん、何でも…」
首を横に振る私に一歩近づき、ゼンは手を伸ばした。
「…なわけないだろ。熱とか…」
「―――やっ!!」
とっさに払いのけてしまった、ゼンの手。
ゼンの驚いた顔を見て、私はハッとした。
「…ご、ごめん」