「…レキが指揮をとるのが、調査班。着いた国や街の詳細を記録する役割」


「へぇー…」


「ニーナが指揮をとるのが、買い出し班。その土地の特産品や、この先の旅で必要なものを調達する」


「うんうん」


「…あとは、船番とか緊急時の連絡係とか。そこに五十人を振り分けるだけ」


あんな大きな船なのに、船員ってたったの五十人しかいなかったんだ…。


私は横目でゼンを捉えながら、口を開く。


「どうやってみんなを振り分けてるの?」


「…俺とレキとニーナは固定。あとは月ごとにローテーションしてる」


なるほど、と私は呟いた。


私も、いろいろな経験が出来ると思うと、何か嬉しくなってくる。


「…あそこだ」


その言葉で、私はゼンの視線の先を目で追った。


小さなお店の間に挟まれている、大きなお店。


看板には、"Lavie"の文字。