「…この街の自然を壊さないよう、十分に気をつけること」
威勢のいい返事が響き、みんなが一斉に行動に移った。
「え」
私はどうすればいいのかわからず、その場にポツンと立っていた。
…すると。
「ひゃ!?」
「…あんたは、こっち」
急に腕を引っ張られ、私は転びそうになる。
「ゼンッ!」
「…今日はとりあえず、俺の班にいて」
俺の班?
そういえばさっきも、班で行動とか言ってたけど…。
ゼンに連れて行かれた先には、十人ほどの船員が集まっていた。
もちろん、全員男のひと。
「…俺たちは主に、運ぶように依頼された物資を届ける役」
ゼンはそう説明しながら、近くに山積みにされている木箱を、船員たちに順に渡していく。
「箱に宛先が書かれた紙が貼ってあるから、そこまで届けるんだ」