「行こっか、ララ」
にっこりと笑うニーナに、私も笑顔を返す。
「うんっ」
「…ちょ、俺には!?」
レキの言葉に、ニーナは鋭い視線を向けた。
「あんたはどーせ、可愛い女の子探すんでしょ。船で留守番してなさいよ」
「あのな、それが男ってもん…」
「行こ、ララ」
ニーナに手を引かれ、私はレキに苦笑しながら、あとに続いた。
船を降りたあと、ゼンから一度収集がかけられ、みんなはゼンの言葉に耳を傾けた。
「…緑の街、フォーグ。その名の通り、自然豊かな街だ」
一目見ただけでわかる。
生い茂る木々、色とりどりの花々。
この時代に、こんなにも自然に恵まれた綺麗な街は、そんなにないと思う。
「まずは、いつもの班に分かれて行動。やるべきことを済ませたら、各自で自由に行動して構わない」
ただし、とゼンが続けた。