そこでようやく、他のみんなが起き始め、次々と部屋の扉が開く。


「おはよー」


「はよ!…あれ、ゼンたち何やってんだ?」


「お、何だ?事件か?」


ぞろぞろと、船員たちが私たちの方へやって来る。


わー、私のせいで、何か大変なことに…。


「…あれ?」


そのとき私は、あることに気がついて、ニーナの服の裾を引っ張った。


「…ね、ニーナ。男の船員多くない?」


見るからに、男、男。


女の子の姿が見当たらない。



するとニーナは、「言ってなかったっけ?」と首を傾げた。


「この船、今はあたしとララしか女子いないわよ」


「………え!?」


「しょうがないのよね。女海賊って昔から少ないから」


はぁ、とため息をつくニーナを、私は呆然と見つめた。


…ふ、二人だけ…

何か、不安になってきた。