レキがゼンに人差し指を向け、ゼンはその指先を鬱陶しそうに見た。


「ゼン…ララちゃんを襲っ」


その瞬間、ゼンの拳とニーナの蹴りがレキにヒットした。


「ふべら!!」


何ともいえない悲鳴を上げて、レキは床に倒れ込む。


…レキってば、何でいつも損な役回りなんだろう…。


「…ここしばらく、お前掃除当番な」


「本当にいっぺん死になさいよ、レキ」


ゼンとニーナの冷ややかな視線が、レキへと突き刺さる。


「ゼ、ゼン。ニーナ。レキもきっと寝ぼけてただけだよっ」


「ララちゃん…!」


あまりにも可哀想だと思った私は、弁解してみた。


…んだけど。


「ララ、甘やかしちゃダメよ。調子に乗るから」


「…あんたが蹴っ飛ばすのが、一番いい薬になかもね」


二人とも、レキには厳しいみたい…。