「はは…笑わせてくれる」
長めに伸ばされた前髪を掻き上げながら、サンはため息をついた。
「俺もお前のように…真っ直ぐに生きれたらよかったのにな」
羨むような眼差しに、ゼンはゆっくりと首を振る。
「…真っ直ぐなんかじゃない。俺だって、何度も挫けそうになったし」
微笑みながらそう言えるのは、ゼンがそれを乗り越えられてきた証。
サンを恨みながら生きてたら…そんな優しく笑えないよ。
「…サンはきっと、後悔してるんだよね?」
突然口を開いた私に、二人の視線が注がれた。
「だから、ゼンが自分を恨んで、いつか復讐に来ることを望んだ。…それを、生きる目的にしてたんでしょ?」
唇をきゅっと結んだサンは、何とも言えない表情を浮かべた。
こんな、私が口出しできるようなことじゃないと思う。
…でも。
それが生きる目的だなんて…悲しすぎるよ。