「あのね!あたしはあんたがバカだからバカって言ってるまでよ!勘違いしないでよねっ」


「…んだと?」


あー…。

止まってニーナ…。


「本当いつまでもずるずると…バカ!世界がひっくり返っても変わらないほどのバカよ!」


ぶちっ。

そんな音が聞こえたのは…気のせいじゃないはず。


「…さっきから聞いてりゃ、人が礼言ってんのにバカバカバカ…ふざけんなっ!!」


「あーら、バカなんだからしょうがないじゃない!」


「撤回!前言撤回だ!もうお前なんかに礼言わねぇ!」


「そっちが勝手に言ったんでしょ!! あたしはお礼言ってなんて一言も言ってないわ!!」


「んなっ…、可愛くねー!!」


「余計なお世話よっ!!」


…いつも通り、ニーナとレキの喧嘩が始まっちゃった。


「わー…どうしよう、ゼン…」


助けを求めて振り返ると、その光景に目を見張る。


ゼンは…笑っていた。