「…ゼン。ララちゃんの次は、お前の番だ」


ピン、と空気が張り積める。


横にいるレキを見ると、今まで見たことのない真剣な表情でゼンを見据えていた。


「…何」


「とぼけんなよ。わかってんだろ?…今度はお前が、理由を話す番だ」


ゼンの、理由…?


私はわけがわからず、ゼンとレキを交互に見た。


私の肩に置かれたレキの手のひらに、ぐっと力が入る。



「―――お前が、海賊を続ける理由だよ」



ゼンの体が、ぴくりと僅かに反応した。


畳み掛けるように、レキは言葉を続ける。


「お前は一体、何を捜してる?関係があるのか?…赤髪の男と」


赤髪…私たちを襲ってきた"ラー"が、言ってた人だ。


その話題が出た瞬間、ゼンは反応を示してたけど…それが、何かに関係するの?



暫く沈黙が続いたかと思うと、ゼンは小さくため息をついた。


「…いきなり、何を言い出すかと思えば。そんなことか」