小さくて、儚げな白い粒が、 車の窓に当たって、瞬時に水へと変わる。 雪、 雪・・・初雪。 「運転手さん、行き先変えます」 渋滞の中、向かったのは、 あの初雪の降った朝に彼女と交わした約束の場所。 『2年後、アメリカから帰ってきたら初雪の降る日見に行こうな』 これで、最後だね。 キミと僕の最後の約束を果たしに行くから。