その時、遠くで、カズマの声が聞こえた気がして、


俺はそのまま振り返らずに部屋を飛び出した。



胸の息苦しいほどの鼓動は収まらない。



陽菜が俺を好き?


今の俺。



今の・・・陽菜。



この数週間。



2度しか会っていない、その彼女の姿を俺は思い返していた。




少し恥ずかしそうにうつむく顔。



何かを一生懸命に伝える口ぶり。



陽菜の現在。



「はは・・・・」



思わず壁にもたれながら、乾いた笑い声が出した。



陽菜・・・、



俺も、好きだよ。



キミが大好きだよ。



過去のキミも。



今のキミも・・・。