彼女は言葉を今度は静かに続けた。
それはこういう内容だった。
何かを忘れてるような変な感覚があるということ。
俺を見てもそういう感じがするということ。
俺はそれを聞きながら、胸が裂けるような息苦しさを感じ始めていた。
それは俺だよ、
って言えたらどんなにいいだろう。
お前が好きだったのはこの俺なんだって。
俺も陽菜を大好きだったんだって、言えたら。。。
けど、彼女の次の言葉で俺の考えていたことは真っ白になった。
「そんなのどうでもいいんです。私は今のharuさんが好きだから」
頭を何かで殴られたような鈍い感覚がした。
今の、俺?
過去の、じゃなくて。
今の、俺・・・?