ああ。俺は眠ってる。



眠ってることに気づいてる。



夢だってことに気づいてしまったよ。



だから覚めないで欲しい。



この掴んだ腕の感触も、触れる頬の柔らかさも、



すべてすべて消えないで。




「陽菜・・・」



愛してるよ。



きっとこれが最後。




・・・・・そっと夢の中で陽菜にキスをした。




夢の中。



なんだよな・・・。



唇が・・・・温かい。





広がる甘くてでも切ないこの気持ちも。



きっと目を開ければきっと消えてしまう・・・。