俺は彼女の異常さに、顔をそらすことも出来なかった。



俺を見てるのに、見てない。



近くを見てるのに、見てない。



まるで、そこに何かを探すように、彼女は目を見開くように俺の窓越しにまた夜景を見てる。



彼女の口が何かをつぶやくように動くのが見えた気がするけど、



それは何を言ってるのかよくわからなかった。



「ひな・・・」

「ゆず!」


俺の言葉と小畑さんの言葉が重なって、



それと同時に、彼女は苦しそうに目を閉じて倒れこんだんだ。



それはまるでスローモーションを見てるようだった。