陽菜。 これは俺が持ってたほうがいいだろ? てか、持ってたいんだ。 だから・・・ 俺はポケットの中のリングを握り締めた。 そっと出すと、雪に反射するこの昼下がりの日光に、一瞬キラッとそれは瞬いて。 俺は勝手に彼女が『ウン』って言ったように思ったんだ。 と、同時に腕時計の重さがいつも以上に意識される。 ・・・時間、か・・・。