「陽斗・・・お前はアメリカに行け」
カズマがさっきと同じことを繰り返した。
「そして仕事を続けろ。あいつ、きっと・・・それを望んでる。
今日、陽菜の手続きするために大学いったんだ。
先生にもあいつ相談してた、留学のこと。で、その時すごくうれしそうだったって。
夢に向かって頑張ってる人がいるって。
自分も夢に向かって努力したいって。
そんな人の近くにいるのが誇りだからって。
すごく嬉しそうに言ってた、って・・・」
俺はただ黙ってカズマの言葉を聞いてた。
でも・・・
でも、俺・・・。
「後、病院の先生が言ってるんだ。長い間経って閉じられた記憶をもし無理やり開けようとすると、体に負担がかかる場合があるって・・・」
俺は顔を上げる。
「だから・・・お願いだ。お前は・・・」
陽菜から離れてほしい、ってそういうことなのか・・・?
なぁ、カズマ。