「俺は絶対に離れない。陽菜から離れない」



「思い出すまでか?」



カズマが立ち上がりながらつぶやいた。



思い出すまで?



たとえ。


たとえ思い出さなくても、俺がずっとそばにいるんだ。




「仕事は?」



「・・・」



「紺野がすげぇ心配してる」



「・・・けど、俺・・・・・・このまま・・・」



こぶしを握り締めて、つぶやく俺に、舞ちゃんがそっとカバンから取り出したもの。



俺はそれを見て目を見張った。