何もしゃべらない紺野と俺。 その静かな部屋には西日が差し込み始めていた。 「陽斗さん!陽菜がっ」 飛び込んできた舞の言葉に、俺の体は反射的に部屋を飛び出していた。 陽菜の病室で目にしたのは、 「泣いてる・・・」 眠りながら一筋ふた筋涙を流している陽菜の姿だった。 「陽菜?・・・陽菜?」 何度も陽菜の名前を呼ぶ俺に、紺野は、 「また、来るから・・・」 といって帰っていった。