むくむくと俺の好奇心が頭をもたげる。


お前をそんな顔にさせるなんて、どんな女だよ。



「カズマ、今日久々に飲もうぜ」


カズマの話をゆっくり聞きたくて、頭の隅にあった新歓コンパのことなんて、すっかり飛んでしまってた。

だって、多分この分野は俺の方が先輩だろ、多分。



「あぁ…今日はちょっと寄るとこあるからだめだ」


その瞬間カズマの顔に少し朱色が混じったのを今の俺は見逃さない。



「もしかして…その女がらみ?」


ますます赤みの増したカズマの顔色に、俺はますます有頂天になってゆく。


「協力してやるよ、カズマ」

「うまいことしてやるから」

「どんなタイプ?」



照れるカズマの顔が面白くてついふざけてしまう俺の言葉を、笑顔で止めて、奴は言うんだ。


「いや、お前が入ると余計難しくなりそうだから遠慮しとくよ」


「なんでだよ…」



「本当にいいんだ。今あいつとはこのままでいたいから…」


カズマの顔がまたさっきの切ないような悲しいような表情に戻り、さっきまでの浮かれた空気がずんと一瞬で沈んだ。