「だったちゃんとした作業台車持ってきて安全帯フックをしっかり使えよ。それに危ないと思ったら俺のところに聞きに来い。一緒に準備してやるから。」

「はっ、はい、すいません。」

どうやら柄の悪いにいちゃん達の喧嘩ではなかったようだ。

新入りの男が危険な状態で作業をしていたのを注意したところだった。

この業界では、常に危険が潜んでいて命を落とすような事故がいつ発生するかわからない。

この注意した男も「ひやっ!」と、するような経験を何度かしているのだ。

もう少しやさしく注意してあげれば良いのだが、どうやらこの男は、神経質になっている感じがする。