「えっ、なんで?どうしたの?」


と、虎は涼しい顔で聞いてきた。


「なんでも朝早いのはイヤだから仕事辞めますだって……、ふざけろー!」


と浩美は煙草を携帯吸い殻入れに無理矢理詰め込んでいる。


虎は他人事のように


「ふぅ~ん……、じゃあ、行こうか」


と、すまして言った。


「ったく、せっかく早起きしたのに!」


浩美は口を尖らせている。

「まぁまぁ朝から怒りなさんな。(早起きは三文の得)って言うし」


「いったい何を得したんだ?」


と、浩美は不可解な顔をしている。