「んっ!あそこに作業台車が、あるな……。」


と、浩美は辺りの様子をうかがって、


「誰も使ってないねぇ……。よしっ!あれを借りていこう。じゃあこの作業台車を運転してって、俺はその辺に転がってる邪魔なものをどかしていくから。」


と、床に散らかっている資材やら廃材等を脇に寄せて作業台車が通れる路をつくっていく。


しかし、新入りが不安そうな顔をして、


「でも、この作業台車……」


「大丈夫。いいの、いいの。誰も使ってないんだから。」


と、浩美は作業台車に乗り込み得意気にキーを回してペダルを踏み込み、前進!……、しない?!