教室に着いた私は
ため息を尽きながら
自分の席に座る。


席は窓際前から
3番目。


ここから毎朝サッカー部の朝練を見るのが日課になっている。


智史くんはサッカー部
のエースなのだ。


「あー…今日も
かっこいいー…」


「川瀬さーんッ!!!
おっはよーう♪」


「うげッおはよ…」


「うげってなによー?」


この朝からテンション
高いのが篠原恵里佳


こいつも智史くんを
狙っているらしい。


私が智史くんを
狙っているとどっからか情報を仕入れてから
私に突っかかってくる。


「まーた智史くん
ウォッチング!!?笑
川瀬さんじゃ智史くん
と釣り合ってないよ?笑」



「むっ..そんな事
分かってるしッ!!!」


「まあ私ぐらいの
可愛さがないと!!」


…そう。自分で言う
くらい篠原さんは
美人。


「はいはい…。」


「しーかもー!!
その体型じゃね..笑」


むかッ!!!


「あんたねー…」


そう言おうとした瞬間


ポカッ


「いたッ何すんの!?」


「恵里佳いいすぎッ
言っていいことと
悪い事の区別も
つかないのッ?」


「りっちゃーん 泣」


助けに来てくれた
この優しい子は友達の
伊藤律子
同じクラスになって
仲良くなったのだ。