それから、何度かキスを繰り返した。


聞こえるのは。


お互いの息づかいと。


波の音だけ。


「ねぇ、なんでデートしてくれたの?忙しいのに」


「二人きりで過ごしたかったから。ただそれだけ」


なんか難しい理由より。


二人きりで過ごしたかった。


その理由がうれしかった。


「美和、好きだよ」


「私も好き」


それから、なにをするわけでもなく。


ただ二人で海を見てた。


「そろそろ帰るか」


「うん」