着いたところは、いつもと違う感じのお店。


なんてゆーか、庶民的。


昔ながらの、小さな洋食屋。


始めて来たところなのに、なんだか懐かしい感じ。


龍矢でもこんなこと来るんだ。


いつもご飯を食べに行くところは、高級店ばっかり。


だからいまだに、入るときに緊張してしまう。


だからこーゆーお店の方が私は好き。


「龍矢、ここは?」


「俺が子供のときによく連れて来られたお店」


「お義父さんと洋子さん?」


「そう。美和にも食べて欲しくて」


そう言って、私の手を引いた。


中に入ると、夫婦二人でお店をやっていることがわかった。


「あら、もしかして龍矢君かしらね?」