ただ体調を崩したときは、さすがに焦ったけど。


「パパ、みゆねむくなちゃった」


「おばあちゃんとこ行くか?」


「うん」


美結のときと同じように、病院にはお袋も親父もついてきた。


「お袋。美結いいか?」


「ええ。美結ちゃん、おいで」


お袋に美結を預けた。


「美和、頑張れ」


美和に通じるように、何度も心の中で祈った。


それから。


美和が分娩室に入って、2時間。


おぎゃーおぎゃー


10月9日、午後10時。


赤ちゃんの大きな泣き声が、廊下中に響いた。