「美結、泣いてたのか?」


「パパが電話出てくれなかったからだよね」


ベットの背もたれに背中をつけながら、私が言った。


私の隣に美結を抱いたまま、龍矢が座った。


「美和、ただいま」


「おかえり、龍矢」


美結の前でも、龍矢は私にキスをする。


「あーみゆも」


「美結は、こっちな」


そう言って、龍矢は美結の頬にキスをした。


「ママもして」


「うん」


美結にせがまれて、私も美結の頬に。


「美結、いい子にしてたか?」


「うん」