「三木さん?」


「あっはい。あの、旦那さんに」


このとき、私の顔は真っ赤だったと思う。


龍矢の隣に座ってる山下さんが吹き出した。


他にも面接官が何人か居たんだけど。


そこの人たちは、笑うのを我慢してたみたい。


そりゃ笑えないよね。


社長とその奥さんの会話だもん。


「旦那さんは喜んでくれますか?」


どこまで意地悪なの!


「はい。喜んでくれてると思います。たぶん」


「そうですか。それでは、面接を終了します」


「ありがとうございます」


頭を下げて、立ち上がって。


もう一度、お辞儀をして面接室を出て来た。