時間だけが、無駄に過ぎてく。


「龍矢、落ち着きなさい」


「ああ」


俺は静かに座ってることができなくて。


何度も分娩室の前をうろうろしていた。


仕方なく、長椅子に腰を下ろした。


「美和・・・」


頑張れ。


頑張れ。


頑張れ。


俺はここに居るから。


「頑張ってくれ」


2時間。


大きな窓から、朝日が差し込んだ。


「美和」