「私は、龍矢にも笑ってて欲しい」


「お前たちが笑っててくれれば、俺も笑顔でいれる」


「じゃ、パパが笑えるように、私たちが笑ってないとね!」


そう言ってお腹に手を置いたら、中から赤ちゃんが蹴り返してきた。


「あは。わかったって」


「そっか」


龍矢が私の隣に来て。


キスをしてきた。


「やだ。丸見えじゃない」


「俺の髪しか見えてない」


確かに、龍矢が私の右肩に手を置いて。


身体を前かがみにしてキスをしてるから。


窓の外からは、龍矢の髪しか見えない。


でも。


「恥ずかしいよ」