「平日は俺たち仕事だろ?」


「うん」


「そうすると、いつも一緒に居るのはおじいちゃん、おばあちゃんだ」


「そうだね」


「だから、取られそう」


「そっか」


でもね。


おじいちゃんとおばあちゃんが居るって、いいこともあるんだよ?


「ねぇ、龍矢。いいこともあるんだよ?」


「いいこと?」


私は龍矢の手をとった。


「あのね。こんなこと言うと、この子に怒られそうなんだけど」


「なんだ?」


「耳かして?」


私がそう言うと、龍矢は少ししゃがんでくれた。