くいくい引っ張った。


その手に引っ張られるように、私と龍矢は歩きだした。


「ここだよ」


女の子はベンチの前に、私たちを連れてきた。


「雪ちゃん、どこ行ってたの?」


「見て!私の妹」


雪ちゃんって呼ばれた女の子は、お母さんに抱かれてる赤ちゃんを指さした。


「こんにちは」


「こんにちは。ごめんなさい、家の子が」


「いいんです。気にしないでください」


「ここどうぞ」


私のお腹に気づいて、旦那さんが席を譲ってくれた。


「すみません」


「今何ヶ月?」


「6ヶ月です」