「いいよ」


「ありがとう」


女の子は私のお腹に触れた。


「あっ、動いた」


その女の子は、うれしそうに耳を近づけた。


「何か聞こえる?」


「うん。赤ちゃんの音」


そう言って、顔を上げた。


「あのね、私もお姉ちゃんになったんだよ」


「ほんと?よかったね」


「赤ちゃん、見たい?」


私と龍矢は顔を見合わせた。


「ここに居るの?」


「うん。そこだよ」


女の子は私の手をとって。