しばらく雪を窓越しに見てた。


そしたら。


「美和」


って、私を呼ぶ声がした。


後ろを振り返ると、少し息を切らした龍矢。


「走ってきたの?」


「別に」


別にって。


待たせたから走ってきた、くらい言ってもいいじゃん。


そんな私の心を読んだのか。


「待たせて悪かった」


そう言って、キスをしてきた。


「いいよ。一人じゃないし」


お腹に視線を移した。


「待たせてごめんな」